4.行動

<交尾行動:表面交尾と巣穴内交尾>

スナガニ類には,表面交尾と巣穴内交尾の2つの交尾様式が知られています.

表面交尾は干潟の表面で行われる交尾で,地上交尾とも言われます.多くの種では,雄が雌に近づいて,その場で交尾を行います.

 巣穴内交尾は巣穴内で行われる交尾で,地下交尾ともいわれます.巣穴交尾に至る過程は,種によって異なっていますが,多くの種では,雄の巣穴内に雌が訪れ,その後,巣穴内で交尾が行われます.

ハクセンシオマネキの交尾

◎表面交尾(地上交尾)… 雄が近くの巣穴の雌に接近し,巣穴の入口で交尾を行う.普通,雄が近づくと雌は自分の巣穴内に逃げ込むが,雄が巣穴の入口を脚でリズミカルに叩くと,そのうちに雌は巣穴の外に出てきて,交尾に至る.

◎巣穴内交尾(地下交尾)… 雄が激しくハサミ脚を振り(waving),放浪雌を巣穴内に誘導し,巣穴内で交尾する.2〜3日中に,雌は巣穴内で産卵するが,産卵後,雄は雌に巣穴を譲って出て行く.

<闘争行動>

スナガニ類は,巣穴とその周辺を「縄張り」としており,そこに入った他個体を激しく威嚇します.喧嘩になることもありますが,多くの個体は威嚇されただけで,縄張りから出て行きます.

ハクセンシオマネキの雄同士の喧嘩は,巨大ハサミをかみ合わせて,相手を投げ飛ばすことで勝敗がつきます.雌の喧嘩は,見た目には穏やかです..