3.生活史
繁殖期・産卵数や寿命といった一生を生きる上でのスケジュールを生活史といいます.
<寿命>
ハクセンシオマネキは最大7年ほど生きることが,飼育実験などで明らかになっています.しかし,これはあくまで最大値で,多くのカニの寿命は5年以下だと考えられます.
<繁殖期>
ハクセンシオマネキの繁殖期は,他のスナガニ類に比べても短く,6月下旬?8月中旬の2ヵ月足らずです.この間に雌は,2回程度産卵します.
なお,産卵した卵は腹肢に付着させて孵化まで(約2週間)保持します(これを抱卵といいます).また,抱卵中の雌は,ほとんど活動せず,入口を閉じた巣穴内に留まります.
<産卵>
ハクセンシオマネキは直径0.3mmほどの非常に小さな卵をたくさん産みます.一度に産む卵は,からだの大きさによって異なりますが,2,000〜8,000個ほどです.これはハクセンシオマネキの体重の約20%にもなります.
<活動>
ハクセンシオマネキは完全な昼行性で,夜間は入口を閉じた巣穴内に留まります.また,干潟冠水時も巣穴内に留まります.実際の活動時間は,日中に干潟が干出してする6時間程度です.
また,気温が低いときには活動を停止します.活動が活発な時期は,4?10月の7ヵ月程度です.